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神は小さきところに宿る

父がICU(集中治療室)からCCU(心臓専門治療室)に移り、

ほんの少しほっとしたのも束の間、

 

手術した左足が再び壊死してきたらしく、

再手術の連絡。

 

少し安堵すると、

また「覚悟」が必要な連絡が入る。

 

この繰り返しの日々。

 

ゴールが見えない日々が続くのは、きついもので、

父の状態もはっきりとわからないことも、なかなか苦しい。

 

そんな時に、ふと浮かぶ言葉。

 

「神は小さきところに宿る」

 

有名な言葉ですが、私がこの台詞を初めて耳にしたのは

20代の頃。あの頃から、長きに渡り、

私の心を度々救ってくれています。

 

 

心理学の「今、ここ」と、私にとっては、同義語。

 

瞬間瞬間の幸せを感じて生きる。

 

 

 

出産報告で、生まれたばかりの赤ちゃんの写真に、感涙した瞬間。

 

クライエントさんと、心が解放されるような、空気感を共に過ごすひととき。

 

夫の畑で、そら豆の立ちのぼる匂いに、生命を感じた緑の中。

 

眠る時、ポムが必ず私のお腹に耳を当て、ピタッと私にくっついて、

まるまって眠る、その鼓動を感じる幸福感。

(子どもの代わりですね)

 

父の回復を祈って、神社に通っていると、

神社の階段を下りたところで、着物姿のご婦人お2人に声をかけられる。

新しい出会い。

 

 

幸せは、足元の身近な小さきところにあって、

それはどんな状況下でも、見つけて感じることはきっとできる。

 

 

先の見えない時間でも、「神は小さきところに宿る」。

 

 

この言葉を教えてくださったのは、

当時、新聞の取材でインタビューさせて頂いた、脚本家の坂元裕二氏。

 

あの頃から、ずっと憧れの人。

 

カンヌ映画祭にノミネートされている

是枝監督と坂元氏脚本の「怪物」。

 

ここのところ、心に余裕のない日々でしたが、

映画館に行きたいと、思います。