久しぶりに訪れた父の部屋には、去年の夏にはなかった机が登場していて、
「大人の塗り絵」をしていたことを初めて知りました。
正座して、「かがむのがきつい」と言っていたことを思い出します。
だから、できるだけ、身体をまっすぐでいられるように、机を購入したのでしょう。
それぐらい、かなり息苦しい状態であったことは、常に言っていたのに、
肺を患っていて、長年総合病院で治療を続けていたため、
主治医からは肺が悪いから仕方ないと言われ続け、
家族も、肺のせいだと思い込んでしまっていて、
発見が遅れるケースなのだそうです。
心筋梗塞。
桜が舞う中をポムと散歩しているときに、報せを受けました。
動脈硬化の進行がかなり激しい状態で、血管もボロボロで、かなり悪く、
本来なら、手術できる状態ではないけれど、他に選択肢はないとのこと。
「こんなに苦しいなら手術をする」と父が望んだらしく、
冠動脈バイバスの緊急手術に。
手術は終わったものの、生死を彷徨う状態が、2週間続き、
その間に、万が一のときの覚悟をと言われた手術が2回行われ、
腎臓透析も行われ、
ただただ、医療の流れの中で、祈ることしかできずにいたのですが、
2つ取り付けられていた心臓の補助装置が1つ外すことができ、
心臓の回復がやっと上向いてきたそうです。
少しだけ、希望が見えてきました。
まだまだ厳しい状況は続いているのですが、
あとは祈るばかりです。
命と医療について、考えさせられた日々。
何度も覚悟を繰り返し、
気を抜いたら、涙が溢れてくる日々。
ただ、「死」が突然、目の前に近づいてきて、
この「いざ」という日々の中で、心を共にする中で、
母と、弟と、私と、それぞれの家族・・・・
関係性が整っていくのを感じています。
医療従事者の皆様にも、
父にも、母にも、弟にも、弟家族にも、私の家族にも、
講座やカウンセリング等の日程を快く調整してくださった皆様にも、
ただただ、感謝しかありません。
父が、塗りかけていた水路のせせらぎの風景にも、救われます。
こんな美しい緑と光を見つめていたことに。
どうか、この塗り絵が完成する日が来ますように。