「母を責める気持ちも、自分のせいだとか、
自分が我慢すればとか、そういう気持ちがなくなりました」
7月の勉強会に参加してくださった方の感想です。
家族に何か問題があると、
誰のせいなのかと、心の中で、
犯人捜しをしてしまうことはないでしょうか。
私は、母がうつ病になった時、そうでした。
母に優しくしなかった父のせい。
母にきつく当たり続けた祖母のせい。
でも、一番は、反対を押し切って、
上京し、母の状態に気づかなかった私のせい。
長い年月、ずっと心の中で懺悔する気持ちがありました。
父や祖母を好きになれない時間も続きました。
心理学や心理療法を学ぶうちに、
母自身の問題ではないかと思うようになりました。
クライエントさんたちの中でも、
子どもや、母親との関係で何かあると、
自分のせいだと、自分を責めている人は多いです。
父親を、母親を、奥底で許せない人、
責めている人も。
毒親、親ガチャという言葉が市民権を得てしまったことも、
犯人捜しを後押ししている気がします。
誰が問題なのか、と。
ファミリーコンステレーションは、
家族の中で何が起きているかを、代理人を立てて、
ありのままを見ていきます。
表面的には見えていない、隠れた力動が見えてくることがあります。
そこで繰り返し出会った
誰が悪いわけでもない、という事実。
「自分や自分以外の誰も責める必要はないのだと、気づきがゆっくりと深まっていくようです」
参加者の方が感想をくださったように
後日ゆっくりじっくりと気づきが湧きあがってくるのは、
思考での認知の切り換えでは、たどり着けない領域だと感じています。
心の奥底で、誰かを責め続けることも、自分を責め続けることも、
心を痛めつける、苦しい作業です。
頭ではわかっているのに、
無意識にそれをやり続けている人は多いのではないでしょうか。
ここから解放されることは、どれほど大きなことでしょう。
あたたかな学びです。
ひとりでも多くの人が、解放されますように。