母と父と、共に過ごした15日。
こんなに長く一緒にいたのは、何十年ぶりでしょうか。
努力はするけれど、母とはつい、言い合いになりがちで、
父の言葉にがっかりする。
だから、一緒には暮らせない、そう思ってきたのですが、
家族の力動が理解できるようになったおかげで、
いい時間を過ごすことができました。
これは、私にとっては驚きであり、最大のギフトだったかもしれません。
力動に飲み込まれずにそこから外れ、
父と母に頭を下げ、
娘のポジションにいる。
それがいかに大切なことかも、わかりました。
人って、すごいなと、つくづく思います。
最近の父は、
肺気腫でかなり肺が悪くなっているため、少し動いても肺が苦しくなるため寝てしまい、
認知の問題も出てきていて、同居している弟や母に、怒られまくっていて、
すっかり年老いて、覇気がなくなっていたのですが、
私が娘であることで、父は父のポジションに居られるので、
針治療やカイロのおかげもあるのですが、どんどん元気になっていって、
顔付きも全て変わっていく姿に、驚きました。
母の咎め口調の背景には、様々なものがあると思うのですが、
80歳近くになっても働きづめで、全く疲れがとれていない状態も起因していると思います。
我が家で何もせず過ごし、日帰り温泉に行き、マッサージしてもらい、
玄米&野菜効果か、「何もせずこんなに食べてるのに2キロも痩せた」とテンション上がり、
咎めも愚痴もまあまあ減り、朗らかになっていきました。
私も娘ポジションを確保していたので、それほど無理せず、
娘らしく言いたいことは言い、できないことはせず、必要なことは頼み、
父と母が聴くテレビの演歌を一緒に聞いて、
こんな穏やかな時間を共に過ごしたのは、幼い頃以来かもしれない、
いや、幼い頃だって母はいつも忙しく、
こんな時間は元々なかったかもしれない。
だからこそ、今こうして、娘でいる穏やかな時間に身を沈める幸せに、
胸が満たされていきました。
全てが想定外の感覚であり、
もしかしたら、一生受け取ることができなかったかもしれないギフトを
受け取ることができたように感じています。