セラピーの現場で、
心が動き、気づき、強く決意したとしても、
日常に戻るとあっという間に、
手から砂がこぼれ落ちるように、
あの瞬間がなかったかのように、
元の思考に戻ってしまう。
それぐらい、社会といううねりは強く、
とてつもない量が交差する情報、
社会性という目線に
深く刻まれた「こうあるべき」には、
飲み込まれやすいものだと
体験的に思います。
だからこそ、
それでも揺るがない「自分」の感覚を
いかに持ち続けられるか。
大事にできるか。
社会性の渦の中でも。
自分の感覚と、すぐに背負いがちな社会性を
何度も繰り返し行き来しながら、
ぶれない自分の軸を
身体の奥に少しずつ確かに築いていく。
そうしてやっと
「自分」を生きていけるのです。
社会性の渦の中に行ったきりにならず、
気づきながらも行ったり来たりする。
そんな過程が大事なのだと感じています。