嘘には、<自分が言う嘘>と、<自分が生きる嘘>があり、
自負心をもっとも荒廃させるのは、<自分が言う嘘>より<自分が生きる嘘>だそうです。
(臨床心理学者ナサニエル・ブランデンの自己評価入門より)
例えば、
知らないのに、知っているふりをするとき
自分は本当にそうだと思わないのに、同意しているように黙っているとき
泣きたいのに笑うとき
受け容れてもらうために、信念をもっていないふりをするとき
関心があるのに無関心を装うとき
心の動揺を否定し、かくそうとしているとき
自分が感じていない価値やもっていない価値をもっているように見せかけるとき
できないふりをしながら、他人にやらせようとしているとき
謙虚であるふりをするとき
傲慢なふりをするとき
本当は恐れているのに怒っているというとき
愛していないのに、愛しているふりをするとき
などなど。
自分が実際に感じたことをや、自分の本当の事実を偽ることが
<自分が生きる嘘>。
口で言う嘘について、
悩んだり、悪く言う人も多いのですが、
自分が生きる嘘のほうが、
自分が自分を拒否しているわけであり、
自負心を害しているわけです。
しかし、そのほうが社会に適応しやすいため、
何が正しいか、何が適切か、何が社会に受け入れられるかを
言い聞かせる親は多く、
真実に生きるほうが、非常に困難であるように
教育されてきています。
嫌われるのが怖くて、
非難されることを恐れて、
私自身も今振り返れば、
嘘を生きていたんだなあと、
特に、自分が小さく小さくなっていった気がしていた頃は、
そこに陥っていたんだと、納得できます。
それでも、困難ではあるけれども、自分次第で
いつからでも、生き方はチェンジしていけるものです。
嘘を生きる=自分を拒絶し、否定し、疎外する生き方ではなく、
真実を生きる=自分自身を大切にする生き方、それは他者をも大切にできる生き方へ
ほんの少しずつでもいいから
意識的に舵を切ったなら、
行先は変わり、
見える景色も、感じる風も、吸い込む空気も
変わっていくはずです。