心理学を学び始めたきっかけのひとつに、
母のうつ病を理解したかったということがあります。
それは、出口の見えないトンネルをどうにか抜け出したかったし、
母を助けたかったのですが、
自分が、いつか母のようにならないためでも、
ありました。
うつ病、まではいかなくとも、
うつ状態っぽくなることは、
多くの人は、人生一度や二度、
あるように思います。
多忙すぎたり、
眠れなかったり、
体調が悪かったり、
老いを感じたり、
うまくいかないことが続いたり、
トラブルが起きたり、
悲しい出来事が起きたり、
人によるのでしょうが、
心なんて、簡単に落ちやすいと
私は感じています。
だからこそ、
どう守っていくか、
どうケアしていくか、
知りたかったのです。
あれから、15年ほど経っても
まだまだ途中ですが、
今の段階で思うのは、
溜めこまないで、
話すことが、ものすごく大事だということ。
1人でいいから、
わかってくれる人、
聴いてくれる人がいるということは、
ものすごく救いになります。
母は、ともかく家の中のことも
自分の苦しみも祖母や父の悪口も
一切誰にも話さなかったそうです。
そして、私や弟が家を出て、上京し、
父や祖母とうまくいかず、
日常の中で孤立したときに
発病したように思います。
1人にならないで、
誰か信頼できる人に
話を聴いてもらう。
言葉にならないなら、
泣くだけでもいい。
話して=放して、
苦しみを体から放出できたなら、
少しは心が楽になるかかもしれないし、
固まってしまった自分を否定する考え方を
崩せるかもしれない。
埋もれてしまっていた自分の本当の声を
見つけ出せるかもしれない。
誰かとともに、
自分に心地よい距離でつながりながら、
心を開きながら、
心を守っていく。
体験上、
この方法が今のところベストに感じています。